アカシックレコード

中東

石田:アカシックレコードとは、過去、現在、未来に起こったすべての人間の出来事、思考、言葉、感情、意思をまとめた宇宙規模の記録です。この概念は、スピリチュアルや哲学の伝統によっては、エーテル面として知られる非物理的な存在の平面に符号化されていると信じられています。

青江:何を言っているんですか?まあ聞いたことはありますが。要するに未来も含めたすべての記録があるということですね。でもそんなものあるんですか?

石田:確かに実証的な証拠が必要です。しかし、私はアカシックレコードのような哲学的、霊的な概念も、宇宙を理解する上で必要だと考えています。多くの人が、霊的な体験や瞑想、あるいは臨死体験の中で、これらの記録にアクセスしたと語っています。彼らは、自分の理解の範囲を超えたような知識、知恵、洞察力について述べているんですよ。これらの体験談は、非科学的ではあるが、主観的な証拠の一種です。ユングの心理学なども想起させますね。

青江:そういうのは興味深いんですけど録音で取ったり聞き込みで証拠固めをしてほしいところです。個人の体験談や経験が重要であることにも同意しますけどね。基本的に科学には客観的な証拠と再現性が求められますが、こうした個人的な記録だけでは不可能なのです。

石田:もっともといえばもっともです。

青江:またユングについては専門外なのであまり口を挟もうとは思いません。ただ心理学畑の人に怒られそうなので大きい声で言えませんが、少し研究法自体が現代からいえば。

石田:そこはまあ置いておきましょう。ただ私たちが検証不可能と考えることや、科学の範囲を超えていると考えることは、私たちの理解や技術によって変化しうることもあります。私たちが量子力学で受け入れている概念の多くは、アカシックレコードのような空想的なものとみなされたでしょう。

青江:それはそうですけど体験談100%の証拠0%はもはや妄想ですよ。とりあえずもう少し話してみてください。

石田:アカシックレコードはスピリチュアル、心理学、そして量子力学など、いくつかの分野が交錯する概念ですね。スピリチュアルな観点から見ると、包括的な宇宙図書館というアイデアがあります。これは人類の意味と宇宙における自分の位置の探求に通じています。私たちは皆、自分の目的、過去、未来について理解したいと願っており、アカシックレコードは理論的にはそのような洞察を与えてくれます。

青江:思考実験的なものととらえれば面白い気はしますけどね。しかし、科学的な観点からは疑問が多々ありますよ。素朴に幾つか考えてみたいと思います。

石田:ぜひとも。

青江:アカシックレコードの情報はどのように保存され、どのように取り出されるのでしょうか?それらはどこにあるのか?非物理的な次元に存在するのであれば、物理的な存在はどのようにしてアクセスすることができるのか?

石田:実に興味深い質問です。確かに、私たちはこれらの問いに確実な答えや経験的なデータを提供することはできません。しかし、量子物理学では、すでに従来の時間、空間、情報の理解を覆すような現象が起きています。非局所性、すなわち量子もつれは、2つの粒子が距離の差に関係なく瞬時につながり、情報を共有できることを示唆しています。このような原理は、まだ十分に解明されていませんが、将来的にアカシックレコードの科学的根拠となり得ませんか?

青江:興味深い提案だが、科学と疑似科学を混同しないようにしないと。量子力学は数学的に厳密な学問です。一般相対性理論との整合性はまだ取れていませんし、今言及してくれた量子もつれ、いわゆるエンタングルメントのような直感に反する現象も実際にあります。ただ分からないことを説明するためのキャッチオールとして使うべきではありませんよ。

石田:賭けに出たいのです、ロマンがあるじゃないですか。

青江:まあ気持ちはわかりますけど。

その手の話は量子力学に頼りすぎではないですか?謙虚に科学の立場から言っても、シュレーディンガーやハイゼンベルクの数式が発表されて随分たちますが記憶が蓄積みたいな話には全く届いていないのが現状です。

石田:真面目ですね、言いたいことはまあわかりますよ。

青江:推測はそのように明確に識別されなければなりませんし、確立された事実として提示されるべきではありません。何かもっと証拠、例えば本当に知らないことを知っているといった、みたいな実証的な証拠があればこちらとしても興味はわくのですが。

石田:単語は知名度が高くなっているけど、ずっと証拠がいまいち曖昧なのは、ちょっと攻められると痛いところですね。

青江:クリティカルシンキングと探求は重要なので否定はしませんよ。こちらとしても今後の展開に期待です。

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